多くの恋人たちへつまりは私と向き合うあなたたち…男性。いつも笑って抱きしめてくれた。温かくて優しい人だった。 「優しい」…いえ、ただ簡単な「優しさ」って思われるのも いやだ… そうね、光の粒がつまった…でもそのひかりは柔らかいのよ。 そんな人で。 私をすっぽり受け止めてくれた。その優しさの海に溺れて 泣いてしまうこともある。 私の愛する人は黒い髪の人が多いわ。 いつかのあなたは、激しい黒曜石のような瞳で私を とらえてしまった。 そばにあった赤い熱帯産の花があったのをよく覚えている… 胸が高鳴りすぎると息が乱れるのね。 そういえばあなたは乱れてなかった。ああ私ったら! 息を継ぎ足してもらうように唇を重ねたけど 多分継ぎ足しどころが吸い取られてしまったのだった…空気どころか、 魂を。 ずっとそうやって思い出して波打ち際を歩く。 誰が私を愛して、私も愛して過ごしてきたか。 あなた、あなたたちにもう一度会いたい。すべての恋人に。 今夜は私はまた黒い髪の繊細な子を抱いて眠るわ。 その子はかすかに震えているの。私は抱きしめて。 母性よりは安らぎのような感じ。でも愛しているのね。 波の上に今夜も月は出ているのかしら… … |